ワンちゃんと安全安心にお散歩を楽しむには、リードが必須です。
リードは首輪かハーネスによって装着しますよね。
「ハーネスの方がワンちゃんにとってストレスにならない」という意見をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
首輪とハーネスにはどちらもメリット、デメリットがあります。
愛犬に合ったものを選びましょう。
首輪とハーネスのメリット、デメリットを説明しつつ、それぞれの正しい選び方を解説します。
目次
首輪とハーネスのストレスは変わらない
首輪とハーネスについてよく聞くのが「首輪よりハーネスの方がワンちゃんにとってストレスにならない」という意見ですが、実はこれは間違いなんです。
イギリスの動物福祉大学の研究チームが面白い実験をしたそうです。
それは、
「ワンちゃんを15頭ずつ首輪とハーネスのチームに分け、それぞれの飼い主にお散歩してもらい、お散歩中のワンちゃんのストレス行動をカウントする」というものです。
この実験によると、首輪とハーネスのストレス行動の数には目に見えた違いが出なかったそうです。
つまり、首輪もハーネスもワンちゃんにとってストレスという考え方では、違いは無いようです。
問題は使い方
「首輪とハーネスはワンちゃんのストレスにとっては、どちらも変わらない」ということですが、問題はその使い方です。
首輪にもハーネスにもそれぞれ、メリットとデメリットがあります。
使い方を間違えると、ワンちゃんにストレスを与えたり、怪我の原因になったりします。
大切なのは「飼い主の目的に合った方を選ぶ」ということです。
それぞれの特徴、メリット、デメリットを説明しますので、選び方の参考にしてみてください。
首輪
首輪はその名の通り、首につける輪ですね。
ベルトの様にワンちゃんの首に装着するタイプがほとんどで、首と首輪の間に指2本が入るほどに調節するのがベストだと言われています。
首輪のメリット
付けたままにしやすい
首輪は大きくないものがほとんどで、ワンちゃんに付けたままにしていてもストレスになりにくいです。
首輪を付けたままにしていると!お散歩に行くときにワンタッチでリードを装着できます。
飼い主の手間が減り、お散歩に行くことを面倒に思わなくなりそうですよね。
迷子札を付けられるので、もしワンちゃんが迷子になってしまっても、発見できる可能性がぐんと上がります。
現在はデザイン性に優れた首輪も多く、付けたままにしていてもかわいかったりします。
あとは、予防接種済みの札を付けられるため、動物病院にいった際に一目で分かります。
お散歩中に指示が通りやすい
ワンちゃんとお散歩する際は、リードを通して指示を伝える必要があります。
お散歩中の問題行動は主に、飼い主よりも早く歩く、他のワンちゃんや人に飛びかかる、落ちているものを食べそうになるなどです。
これらのやってほしくない行動をしようとした際、リードをちょっと引っ張ることで、その行動をストップさせることができます。
首輪にリードを付けている場合は、リードを引っ張ることでワンちゃんが一瞬ビックリします。
この「ビックリ」が飼い主からワンちゃんへの「ダメだよ」という指示になります。
後で説明する「ハーフチョーク」「フルチョーク」という首輪は、ワンちゃんへ指示をすることを目的に作られました。
意外にも、お散歩中は危険がいっぱいです。飼い主の少しの油断で、ワンちゃんがケガをしてしまうこともあるんです。
普段から「しつけ」を行うことで、ワンちゃんのケガも防止でき、長生きにも繋がります。
首輪を付けることで、リードを使ったワンちゃんへのしつけが行いやすくなります。
首輪のデメリット
しつけに適している首輪ですが、デメリットもあります。
引っ張り過ぎると苦しい
ワンちゃんも気管があるため、首を絞めすぎると呼吸ができなくなります。
また、首には脛椎という重要な器官もあるため、引っ張りすぎると危険です。脛椎を痛めてしまうと取り返しのつかないことになることは分かりますよね。
首輪の正しい使い方は、飼い主がしつけの際にちょっと引っ張る程度です。
「ワンちゃんが自ら引っ張ることで、苦しくなって問題行動をやめる」というのは本来の使い方ではありません。
ワンちゃんが引っ張る限度を分からずに、自ら体を痛めてしまうこともあります。
首輪はあくまで、飼い主がワンちゃんをしつける目的で使いましょう。
付けたままにし過ぎると不潔に
首輪を付けたままにしておく飼い主は結構いますよね。
すぐにリードが付けられるため、首輪のメリットでもありますが、あまりにも長期間首輪を付けたままにしておくと、不衛生です。
汚れはたまりますし、首輪部分がかゆくなるため、頻繁にかいてしまいます。
そうなると皮膚を痛めてしまうこともあります。
人間もチョーカーやネックレスをずーっと付けたままにしておくと気持ち悪いですよね。
ワンちゃんも同じです。
できれば毎日外してあげましょう。
通気性が良くなって、ワンちゃんも気持ちいいはずです。
首輪の調節を間違えると、、、
首輪のベストな絞め具合は、指2本が入る長さです。
それよりきついと苦しくなるし、逆にゆるいとお散歩中に首輪が取れてしまい、事故の危険性もあります。
また、ワンちゃんも成長します。
子犬から成犬になるときはもちろんですが、成犬の間でも、太ったりやせたりするため、首の太さが変わることもあります。
首輪を付ける際は毎回ベストな絞め具合に調節しましょう。
首輪の種類
首輪には一般的なものの他に、「ハーフチョーク」と「フルチョーク」というタイプがあります。
「チョーク(choke)」とは「むせさせる、ふさぐ」などの意味がありますが、これらのタイプは通常の首輪と違い、ワンちゃんの首を少し締め付ける作りになっています。
どちらもしつけ用として使われる首輪で、特に大型犬のしつけに使われることが多いです。
当たり前ですが、どちらのタイプも引っ張り過ぎはNGです。
あくまでしつけの範囲で、使い方を守って安全に使用しましょう。
ハーフチョーク
ハーフチョークは「ハーフ」ということで、完全に締め付ける作りではないですが、リードを引くと首輪部分が少し締まる作りをしています。
フルチョーク
ハーフチョークと違い、首輪部分が完全に(フルに)締め付ける作りをしています。
ハーフチョークよりも、よりワンちゃんのしつけに効果的です。
ハーネス
ハーネスは、胴輪という言い方もします。
洋服のようにワンちゃんの前足に着せてあげるようなタイプで、背中にリードを付ける仕組みになっています。
ハーネスのメリット
引っ張っても苦しくならない
ハーネスは首輪と違い、リードを引っ張ると首ではなく、胸からお腹にかけて負荷が分散します。
これはハーネスの構造上、首輪よりも広い面積がワンちゃんに触れているためです。
気管が圧迫されることが無いため、ワンちゃんも苦しい思いをせずに、お散歩を楽しむことができます。
介護に向いている
高齢犬になると、歩くのが困難になります。
しかし、全く運動をさせないと、足腰がどんどん弱まります。
飼い主がサポートした状態で、お散歩をさせてあげる必要があります。
ハーネスを着せた状態で、リードで支えて歩かせるのが効果的です。
現在は、さらに介護用として特化したハーネスも存在しているため、おすすめです。
ハーネスのデメリット
しつけには向かない
ハーネスは引っ張ってもワンちゃんに負荷がかかりません。
そのため、問題行動をしてもリードでやめさせることが難しいです。
ハーネスはしつけには向いていないようです。
着せたままにすると毛がハゲてしまう
ハーネスは布製がほとんどです。
布製だと肌に優しいと思われがちですが、実はすれて毛がハゲてしまうことがあるんです。
着せたままにしておくことが原因なので、お散歩の後はハーネスを外してあげましょう。
まとめ
首輪とハーネスはどちらもメリットデメリットがあるため、目的に合った方を選ぶと良いですね。
子犬のうちは、お散歩でしっかりハンドリングができるようにしつける必要があるため首輪を選び、しつける必要が無いほどお散歩に慣れたらハーネスを選ぶというように、場面に合ったものを選びましょう。
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